会長ブログ
『心と行動のガイドライン』の繙き(ひもとき) (7)

❼素直は成長の土台
素直な心になれば、おのずと、人といわず物といわず、また物事いっさいに対して、つねに学ぶ心で相対するようになると思うのです。
(松下幸之助「人間を考える」)
ここでは松下幸之助が説く「素直」の意味を手がかりに、我執を超えて成長するために必要な心のあり方を考えてみたいと思います。
① 「素直」とは何か
「素直」と言うと、一般には「従順」に類する消極的なものと考えられることが多いのですが、ここで松下幸之助がいう「素直」とは、その真逆とも言えるもっと積極的で力強いものなのです。
松下幸之助は、この「素直」を人が成功するために最も大事なものと言っています。
また、自分は「素直」の初段だと言っていますが、あの経営の神様と言われた人でさえ、初段に過ぎないのですから、いかに「素直」を身に着けることが難しいかが分かります。
松下幸之助は、困難に出遭う度に「素直」であろうと自分自身と格闘されたのではないかと思います。
② 我執を超えて受け止める
「素直」であることが、かくも難しいのは、それは我執との戦いになるからです。
素直にものを観る、あるいは素直に考えることを妨げるのは、他ならぬ自分自身の我執なのです。
例えば、人からアドバイスを受ける時、相手が苦手な人であったり、そりが合わぬ人であったりすると、そのアドバイスが耳に入ってこなかったりする。
それは自分の我執が聞くことを妨げているのです。
「素直」な人は、そんな人の言っていることであっても、何か自分の成長に役に立つことはないかと、真摯に耳を傾けることができるのです。
また、困難に直面したとき、多くの人は「なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのか」と愚痴をこぼしがちです。
そして、我執にとらわれると、物事をありのままに見ることができず、その結果、困難を解決できないことも少なくありません。
これに対して「素直」な人は、目の前の困難を必然的なものとして受け容れ、自分にとって必要なもの、将来に向けた試練として受け止めます。
だからこそ、それをありのままに受け入れ、物事の実相を見極め、本質を捉えて、解決の糸口をつかむことができるのです。
松下幸之助が幾多の困難を乗り越え、松下電器を発展成長させることができた秘訣も、この「素直」にあったのだと思います。
③ 志が「素直」を支える
それではこの「素直」であるためには何が必要なのでしょうか。
それは志や高い目標であろうと思います。
志や高い目標があるからこそ、我執を抑えて人からのアドバイスや苦労の体験に学びを得ることができるのです。
人は誰でも耳の痛いアドバイスや苦労は避けたいものです。
それを素直に受け容れることができるのは、成長したいという願望があるからなのです。
二度とない人生だからこそ、「この程度の人生で終わってたまるか」という思いをもって、「素直」になる努力を続けたいものです。


