会長ブログ

『心と行動のガイドライン』の繙き(ひもとき) (4)

『心と行動のガイドライン』の繙き(ひもとき) (4)

❹「させられる立場」でなく「する立場」で仕事をする

 

自分の人生が充実していたかどうかは、その人の社会的な成功・不成功よりも、自分自身の人生を生きることができたかどうかによって決まるのではないでしょうか。

仮に成功を収めることができたにしても、それが自分自身の意志でやったことなのか、人に指示されてやったことなのかによって、達成感と納得感は異なってくるからです。

 

私は森長工務店では社員の皆さんが、自分自身の人生を生きてもらいたいと思うのです。

そのためには、「させられる立場」で仕事をするのではなく、「する立場」で仕事をしなければなりません。

「させられる立場」で仕事をしている間は、その仕事が失敗しようが自分の責任だと悩む必要はないでしょうし、困難から逃げ回っていても自責の念に駆られることもないでしょう。

至って楽で完璧とさえ言えるのかもしれませんが、食うために生きているというだけのことで、何とも虚しい人生ではないでしょうか。

 

一方「する立場」で仕事をしたからと言って、楽になるわけでも、失敗しないわけでもありません。

しかし、そこで出合う苦労も失敗も、自分の責任に帰することによって自分自身の人生を生きることになるのです。

そして、そこで経験する苦労も失敗も人生の糧となり、さらに自分の人生を充実させてくれるのです。

 

「楽」という字は、楽(らく)とも読めるし、楽しい(たの)とも読めますが、楽(らく)な人生が楽しいとは限らないのです。

楽ではあっても、「させられる立場」で生きていては、楽しくなるはずがないのです。

人生はただの一度きりです。

どうせなら皆さんに楽しい人生を送って欲しいのです。

楽しい人生にするためには、主体的でなければなりません。

そして、主体的な生き方は、自分の責任は自分がとるという姿勢と表裏一体であり、責任を取るからこそ自分自身の人生だと言えるのです。

 

ただ、ここで混同して欲しくないのは、主体性と我儘との違いです。

例えばオーケストラの場合で言うと、音楽ホールの聴衆が聴きに来ているのは、オーケストラの演奏であって、バイオリンの独奏ではありません。

バイオリン奏者がどれほど優れた演奏をしようと、それが全体と調和していなければ、オーケストラの演奏を聴きに来た聴衆は満足しませんし、オーケストラの他の奏者の演奏も台無しにしてしまいます。

 

会社の場合も同じです。

自分の仕事が、お客様の満足を高め、仲間の仕事も活かすためには、会社のベクトルと社員一人ひとりのベクトルが同じ方向を向いていなければなりません。

社員それぞれが、お客様満足を高めるために主体性を発揮することが大事だということです。

「心と行動の指針6」では、「全体の中での自分の役割を認識し、自立し主体的な人間となろう」としていましたが、主体性は全体のレベルを上げるためにこそ発揮されるべきものなのです。

 

「する立場」で主体的に仕事をするとは、自分の仕事によって生じたものの責任を引き受けることです。

この責任を自責でなく他責にするのは我儘なのです。

自分自身の人生を生きるとは、責任を引き受けることなのです。

だからこそ達成感と納得感を味わうことができるのです。

責任を引き受ける覚悟をもって自分自身の人生を生き、本当の人生の楽しみを味わいたいものです。