社長ブログ

強くて楽しい会社をつくろう

強くて楽しい会社をつくろう

野球の試合は九人しか出場できません。

例えば、ベンチに座っている選手がふんぞり返るようにして傍観しているチームなのか、それとも前のめりになって声を出しながら、いつ出番が来てもいいように準備しているチームなのか。

要するに、他人事にするチームはやっぱり勝ち切らないと思うんですよ。

(WBC日本代表監督 栗山英樹)

 

WBCでの日本チームのベンチでは、全員がベンチの最前列で味方のプレーに声を限りに応援していました。

チャンスになれば味方を盛り上げようと声を上げ、ピンチになればみんなを励まそうと声を上げる。

その一体感は画面を通じても我々に伝わってきました。

彼らもプロの野球選手ですから、WBCは選手としての評価を上げる絶好の機会だったはずですが、誰もがチームと一つになっていて、自分にこだわっている者は誰一人としているようには見えませんでした。

 

栗山監督はチームづくりおいて大切にしたことを次のように述べています。

 

「強い組織というのは、全員が自分の都合よりもチームの都合を優先し、全員がチームの目標を自分の目標だと捉えていることだと思っています。」

 

日本チームの選手たちも、日本を代表する素晴らしい選手ですが、個々の力から言えば、メジャーリーガーの選手の力には敵わなかったでしょう。

それにもかかわらず、WBCで優勝できたのはチームとしての力、すなわち一体感がつくり出す力の故だったと思います。

チームの力は「1+1=2」だとは限らないのです。

一人ひとりの心のあり方次第で、それが3にも4にもなるものなのです。

 

しかし、このような一体感はひとりでに出来上がっていったのではありません。

栗山監督がチーム作りの段階から、「日本の野球のため、日本の子供たちのため」という意義目的を、選手一人ひとりに説いて回ったところから始まっているのです。

そのためにメジャーリーグに所属する選手に会うために、多忙な日程をぬって米国に渡るなど、意義目的の浸透に力を尽くしたのです。

意義目的はチームの根幹です。栗山監督はこのチームの根を育もうとされたのです。

 

また、映画を見ていると分かることですが、栗山監督の選手への気配りは半端ではありません。

廊下でのすれ違いざま、実に的を得た声かけをされている。

これは日頃から選手一人ひとりに関心を持っていなければ出来ることではありません。

栗山監督の意義目的の実現に向けての執念が、栗山監督のこうした実践のエネルギーの根源になり、ひいてはWBC優勝という結果を生んだのだと思います。

 

当社の経営基本方針(1)には「『いい仲間』も『いい職場』も努力の結晶」とありますが、いい人間関係は組織のメンバーの努力なしにはあり得ないのです。

誰かが自分のためにいい人間関係を用意してくれるわけではありません。

自分がそれをつくるために努力しなければならないのです。

そうして生まれたいい人間関係の中で、楽しく仕事ができることで、組織としての成功が生まれるのです。

 

同じ野球をやるのなら、選手がふんぞり返って傍観してるチームよりも、皆が前のめりになって応援するチームでやりたいものです。

それの方がよほど楽しくプレーでき、そしてチームとしても強くなれるに違いありません。

 

仕事も会社も同じことです。

そのためには、一人ひとりが「この会社は俺の会社だ」と思って、主体的に会社づくりに取り組まねばなりません。

そして、強くて楽しい会社をつくっていきたいものです。

 

私は仕合せというものは、理屈を捏ねなければならぬほど難解なものではないと思います。

皆の仲が良くて、お客様や協力会社の皆さんにも信頼されている。

そのような中で仕事ができ生活できれば、それに過ぎる仕合せはないのではないでしょうか。

そして、その仕合せが、結果として会社の強さと成長をもたらすのだと思います。