社長ブログ

主座を保つ

主座を保つ

指導者というものは、どんな時でも、自分みずから、「このようにしよう」「こうしたい」というものは持っていなくてはならない。そういうものを持った上で他人の意見を参考として取り入れることが大事なのであって、自分の考えを何も持たずして、ただ他人に従うというだけなら、指導者としての意味はなくなってしまう。

(松下幸之助)

 

右に掲げたのは、先日の朝礼で読んだ「松下幸之助一日一話」の『主座を保つ』の一節ですが、たいへん大事な内容を含んでいます。

 

ここで幸之助さんは、「指導者というものは、どんな時でも、自分みずから、『このようにしよう』『こうしたい』というものは持っていなくてはならない」と言われています。

しかし、それは裏を返せば、そういうものを持っている人が指導者(リーダー)なのだということでもあります。

もちろん、会社の職制上は必ずしも指導的立場にいるとは限りませんが、「したいことを持っている人」が、渦の中心になって会社を変革していくのですから、実質的にはそうした人こそがリーダーなのです。

 

しかし、「したいことを持っている人」だからと言って、したいことを実現できるとは限りません。

それは、したいことをするためには、現状を変革していかねばならないからです。

「問題があるからしたいことができない」とか「課題解決が難しいからしたいことができない」というのでは、それはリーダーとは言えないのです。

リーダーは問題や課題を解決する人のことを言うのであって、壁の前で立ちすくんでいるようでは、リーダーになり得ていないのです。

条件が揃っていないから出来ないというようなことでは、幸之助さんのいう「主座を保つ」ことにはならないのです。

真のリーダーとは、不足している条件を整備していく人のことを言うのであって、それでこそ「主座を保つ」ことになるのです。

 

私は社員の皆さんに「この会社で働けて良かった」と、思ってもらえるような会社にしたいと思っています。

そのために物心両面の幸せを追求するわけですが、物と心のどちらが先かと言えば、心の姿勢を確立することが先なのです。

中でも大事なのは、皆さんが「主座を保つ」ことだと考えています。

「したいこと」を問題や課題を乗り越えて実現し、自分の持てる能力と個性を発揮して皆のお役に立てたという実感が持てること。

そんな貢献感を持ってはじめて、自分の人生に価値を感じ、「この会社で働けて良かった」と思えるのではないでしょうか。

 

夢や目標があれば、その夢や目標と現状の間には、ギャップが存在します。

それ故、大きな夢や高い目標を掲げている前向きな会社ほど多くの問題や課題があります。

夢や目標を実現するために、「したいこと」は山ほど出てくるのです。

だから誰にでも、その人が置かれたポジションに応じて「主座を保つ」チャンスはあり、リーダーたり得るのです。

そんなリーダーが沢山いる会社ほど、多くの問題・課題を克服して、成長発展を遂げられるのだと思います。

 

私もあと数か月で古希を迎えますが、この年齢になってくると、自分がどれだけ人のお役に立てたかということが、だんだんと大きな意味を持ってきます。

最後に残る人生の意味は、これしかないとさえ思えるのです。

これは私だけではなく、皆さんにとっても同じことだと思います。

この人生の意味を実現するためには、皆さんがそれぞれの立場で「主座を保つ」心の姿勢を確立し、貢献感を手にしてもらうことが大切だと考えています。

そのことによって、物的な幸せも必ずついてくるのです。