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飯炊き仙人(モノづくりの妙味)

飯炊き仙人(モノづくりの妙味)

こんにちは。

総務部のUです。

 

最近、気になる店があります。

以前は、肉料理や揚げ物、麺類など流行りの人気店や料理に関心があり、いろいろ食べてきました。

近頃はそんなに特に食べたいというものがなくなってきて、シンプルに素材を活かした本質的な味わいに関心が移ってきました。

 

 

京都で名の通った高級料亭の一流料理人が挙って使用するお米があります。

京都の老舗米屋 八代目儀兵衛さんです。

お米へのこだわり | 京都 八代目儀兵衛 (okomeya.net)

 

コシヒカリをはじめ最近は数多くの産地ブランド米が作られています。

それに対してここのお米は、品種や産地にこだわった高級ブランド米自体を選りすぐってそのまま商品としているのではなく、匠の舌で毎年都度確かめた米を厳選し、匠の技術で最適にブレンドして商品にしているのだそうです。

通常、素材にこだわり高品質の品種を求めるが、甘さ・粘り・香りなど米それぞれの個性を活かし組み合わせるというブレンドの技術を確立しており、必ずしも高級米でなくとも、素材の組み合わせで一流の料理人を唸らせるのは新鮮な驚きで、味わい深い趣がある。

 

また、米屋自ら料亭を祇園の八坂神社前に構え、行列の店になっている。

行列で人気、京都祇園・東京銀座の米料亭【八代目儀兵衛】 (okomeya-ryotei.net)

 

他に気になっているのが、飯炊き仙人である。

以前からTV番組で取り上げられ、この世を超越したような姿で仙人が炊くご飯を食べたレポーターが泣いていたのが印象的だった。

この方、ニューズウィークの100人に掲載されたり、中国政府から炊飯指導で招かれたりするすごい人!

「銀シャリ屋 ゲコ亭」村嶋孟さんの飯の炊き方。 | dancyuタイムカプセル | 【公式】dancyu (ダンチュウ)

 

しかし、飾らない素朴な人柄で、知らずに休日に来店した客に無料でおむすびを配る心優しい人です。

そこがまた魅力です。

 

米の素材の旨味を存分に引き出すコツは

「はじめチョロチョロ中パッパ、 赤子泣いても蓋取るな」。

昔から言われている基本に忠実な炊き方!

これを絶妙な加減で全精力を賭けて炊き上げるのが名人の妙味なのでしょう。

満足のいかない炊き上がりには、代金を貰わず無料にするというこだわりようで職人魂を込めて全力で炊いている。

同じものでも、丹精込めた作り方で素材が化けるという「他の道にも通じる大切なもの」を感じました。

 

以前、樹木希林さんが主演した「あん」という映画がありました。

売り上げ不振だったどら焼きの店の求人を見て働くことを懇願した老人が作った粒あんがあまりに美味しく評判になり店が繁盛するのですが、実はこの老人はらい病とも呼ばれていたハンセン病患者で国立ハンセン病療養所に差別を受け強制収容されていた人でした。

 

働いた経験もない主人公ですが、長い間あんを作り続け、あん作りの本質の心得をもち、素材を生き生きとして捉えて丹精込めて作り上げたものは絶品であるという、人が生み出す力を感じました。

「私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。

この世は、ただそれだけを望んでいた。・・・だとすれば、何かになれなくても、私達には生きる意味があるのよ。」

という生きていく意味を深く問いかける言葉です。

 

人いう存在とその持つ力また生き方の原点を考えさせる作品ですが、飯炊き名人と共通するものを思いました。

 

同じものでも作り手の技術と思いにより出来上がりは変わるのだなと改めて思いました。

思いを込めて手をかけて取組んだものが、モノを通じて人の心にも働きかけ、モノの完成度のみならず感動を呼ぶことにもなる本質的な教訓を見た気がします。

モノづくりに携わる建設会社として、社員と協力会社の皆様および関係者と力を合わせ、気持ちを込めた仕事で、人の心に価値を生み出せるよう精進したいと思います。

 

あっ、飯炊き仙人ですが、昨年暮れにTV番組より店名で検索してはじめて、大阪に在住で店が堺市にあると知ったので、引退されないうちに行ってみたいと思います。